飲食の相性研究の基本

2009年8月3日(月)

 相性って何だろう?

 人間同士の場合は、出会った瞬間から”あう”と思ってしまうこともあります。お互いの波長があっているからでしょうか?容姿を見ただけで、ビビっと感じられる何かがあったりします。

 しかしながら、性格の不一致ということでお別れするケースもあったりします。

 では、お酒とお料理の相性とは何でしょう?

 人の感覚によって、あうか、あわないのかを判断します。お酒もお料理も嗜好品なので、嗜好的要素が伴いますが、相性は好き嫌いから判断されるものではありません。

 また、美味しいとか、美味しくないとかの個人的な嗜好からも判断されるものではありません。

 お酒とお料理の相性は嗅覚と味覚の科学であります。好き嫌いなどではなく、相性研究としてのルールに基づいて判断されなくてはいけません。

 お酒とお料理(飲み物と食べ物)に限らず、「飲み物と飲み物」「食べ物と食べ物」が出会いますと、次のようなことが起こります。

1. 新しい第三の快適な香味が生まれる。
2. お互いの長所が増長する。
3. どちらかが相手を持ち上げる。
4. 口中がすっきりする。
5. どちらもそれぞれ独立した状態で存在する。
6. どちらかが、相手を負かしてしまう。
7. 新しい第三の不快な香味が生まれる。

1. を「調和◎」(共鳴=ハーモニー)とします。
2. を「調和◎」(相乗)とします。
3. を「調和◎」(尊敬)とします。
4. を「リセット○」(爽快)とします。
5. を「平行△〜○」とします。
6. を「不均衡△」とします。
7. を「反発×」とします。

 わかりやすく例を上げましょう。

1.新しい第三の快適な香味が生まれる。「調和◎」(共鳴=ハーモニー)
 ハチミツ + レモン = ◎
 甘味と酸味のバランスが取れて、美味しい甘酸っぱい美味しさになります。

2.お互いの長所が増長する。「調和◎」(相乗)
 おそば + 日本酒 = ◎
 穀類同士が共鳴し、旨味が増長されます。
 焼き鳥 + ビール = ◎
 香ばしさ同士が共鳴します。

3.どちらかが相手を持ち上げる。「調和◎」(尊敬)
 糖分 + 塩分 = ◎
 塩分が甘味を持ち上げますね。

4.口中がすっきりする。「リセット○」(爽快)
 脂分 + 炭酸(ビール) = ◎
 ビールは脂分に作用して、口中を爽やかにしてくれます。
 お酒類だけでなく、わさびなどの香辛料もすっきりさせてくれます。

5.どちらもそれぞれ独立した状態で存在する。「平行△〜○」
 チョコレート + オレンジジュース = △〜○
 下記チョコレートと飲み物の相性を参照して下さい。

6.どちらかが、相手を負かしてしまう。「不均衡△」
 おそば + 白胡椒 = △
 白胡椒の強さの一人勝ちで、おそばの存在意味が感じられない。

7.新しい第三の不快な香味が生まれる。「反発×」
 かずのこ + 甘口ドイツワイン = ×
 口から出したくなるような嫌味が生じます。

 また、飲食の相性研究をわかりやすく説明するために、身近な食べ物であるチョコレートと身近な飲み物の相性をみてみます。それぞれをあわせていきましょう。

チョコレート

糖分0

ミルク入り

ミルク、ナッツ入り

飲み物

コーラ

牛乳

コーヒー牛乳

オレンジ

-

糖分0

ミルク入り

ミルク、ナッツ入り

コーラ

「リセット○」
コーラの圧倒的な糖分と炭酸でチョコレートを流し込む。

「リセット○」
コーラの圧倒的な糖分と炭酸でチョコレートを流し込む。

「リセット○」
コーラの圧倒的な糖分と炭酸でチョコレートを流し込む。

牛乳

「調和◎」
チョコレートの中のカカオマスと牛乳が調和して柔らかいチョコレートになる。

「調和◎」
チョコレートの中のカカオマスと牛乳が調和して柔らかくなり、さらにチョコレートの中の乳成分と牛乳が共鳴する。

「調和◎」
チョコレートの中のカカオマスと牛乳が調和して柔らかくなり、さらにチョコレートの中の乳成分とナッツが牛乳が共鳴する。

コーヒー
牛乳

「調和◎」
カカオマスとコーヒーの香ばしさが共鳴して、コーヒー牛乳の甘さがチョコレートを柔らかくさせる。

「反発×」
双方の甘さが合わさると、耐え切れない甘さとなる。アイスにしてしまえば丁度良いのかもしれない。

「反発×」
双方の甘さが合わさると、耐え切れない甘さとなる。ただし、ナッツが甘味を和らげてはくれている。

オレンジ

「平行△」
それぞれが打ち消し合うように輪郭がぼける。

「平行○」
それぞれが別々に存在する。(チョコレートの乳成分が仲をとりもつ)

「平行○」
それぞれが別々に存在する。(チョコレートの乳成分が仲をとりもつ)

「リセット○」
チョコレートの味を希釈する。水はごはんのような存在。

「リセット○」
チョコレートの味を希釈する。水はごはんのような存在。

「リセット○」
チョコレートの味を希釈する。水はごはんのような存在。

 これで相性研究の◎、○、△、×の意味がおわかりになるかと思います。

 ここで注意しなければならないことがあります。

 チョコレートが好きな人は、どんな飲料でもあわせれば好きだから◎と言われる方がいます。同様にコーヒーならばすべて良いと言われる方もいます。また、辛さは好きだから気にならないという方もいます。二つが出会って、辛さが特出したら、その相性は良いとはなりません。

 お酒とお料理の場合も、それぞれが出会って、どんなことが起こっているのかを客観的にみる必要があります。


お酒とお料理の相性 / 丸河屋